■2006年12月29日(金) ねんまつだから。

カニ。

シカ。

コーヒー。
2006年を振り返らない内に2007年がやってくる。余りにも言い尽くされているが、でも、使うけど「加齢と共に時間が過ぎるのが速い」のは、本当になぜなんだろう。いよいよ、ようやく三十代最後の一年を迎える。いらっしゃい。

旧友と会う。忘年の宴。去年までは四人だったのにこれからずっと、しばらくは三人だ。今年は死んだ彼用の杯は用意しなかった。
で、最初に行ったのは那覇市前島にある『囲炉裏 温石』だ。かなり良い店だったので実名で。日本料理系の居酒屋(?)で、会席風の“コースメニュー(とサイトには書いてある)”をたらふく。八品ほどの献立で、目玉はカニと蝦夷ジカのシチューだった。また行こうと思う。ただし、シカ君は個人的には苦手な味わいである。そう、ウシ君の頬肉のような。合掌なむなむ。
続いて、最近たわらの中で流行のshotbar(こちらもかなり良い店だけどなんとなく秘密)へ向かいはしたものの、あまりの満腹具合が苦しくて、腹ごなしにと前島から泉崎まで歩いてみたら街はらんちき騒ぎだ。ソドムの様。この辺りを歩くことは、まず、ないのでゆっくりと、いつの間にか増殖している飲食店を一軒ずつ覗きながら行く。賑やかな街中で、客が一人もいない小ぎれいな洋食系の店を見つけた。マイナス方向にとても不思議だったので、渋る友を説得して一見さんとなった。結果はやはりダメダメだった。飲食店ではいつも厨房とトイレを観察するが、友が「うまいうまい」と食べていたライスコロッケを揚げた油はいつ替えたものだったのだろう、あの汚い“フライヤー”は。ワイン一本で退散。まあ、概ね想像通りではあったが二度と行くまい。まったく愛を見つけられなかった。
酔いが覚めたので、ファーストフード店でコーヒーを飲みながら日本の未来について話し込んだ。帰途。道行くおばちゃん同士がすれ違いに「おはようございます」と声を掛け合っていた。
よいしごと。 ■2006年12月28日(木)
デキ具合はともかく、悩み抜いた「書評」があがった。担当の方から、大変的確な助言を頂いてたどり着いた最終原稿だった。なんとか締め切りに間に合ったものの、書く際にはいろんな思いに惑わされたなあという印象。繰り返しになるが、それにしても職業人の言葉は鋭く、非常に勉強になった。もしも、またの機会があるならばぜひ。


この数日は一体何をやっていたのかあまり覚えていない。上の原稿と、そう、平良師匠の道場をTTC(仮称)団員で大掃除したな、そういえば。それから、いくつかの飲酒会を辞退して、それから、そうそう、外国人と一緒になった親友が沖縄に帰ってきており、そのスゥイートホームで感謝祭の七面鳥を頂いた。基地内でのパーティーだったので、たわらは完全なマイノリティだったが、滅多に体験できない風景を楽しんだ。
それから。TTC(仮称)の稽古納めをした。二月公演の稽古が進行中であるが、それとは別に通年の基本稽古をやっており、基本の基本、激ストレッチや発声(発音、調音など)、テキスト朗読(ナレーションのようなこと)をコツコツと。納め稽古で心と身体を温めたあと、ブルーシールアイスクリームケーキでクールダウン。公式には年末年始休暇である。

年明けすぐに幾つか仕事を入れたので、その制作作業にも追われている。というか、ここに、何度も何度も「追われている」と書いているが、これって、あまり良くないのではないか。「追われている」のは事実だから、仕様がないが、もう少し建設的、生産的な言い回しができないものだろうか。考えようによっては「追われている」状態は、間違いなく、まだ締め切りの前を歩いていて、決して「追い越されて」いないから、もう少し気持ちの良い他の表現を、まあ、そんなことはどうでもよい。
えーと、新春五日から二泊三日の日程で高校演劇ワークショップを行う。TTC(仮称)と高校文化連盟演劇部門との共同主催になる。こう言った形は、初めてのことなので楽しみなのだ。正月早々に宿泊で参加してくる高校生が沢山いるわけだが、参加を希望してくれて、非常に嬉しいし感心である。この中から、数年後の演劇人が生まれることを願っている。

いつにも増して、とりとめない内容だが、年末だからよしとする。
ひかり。
■2006年12月21日(木) 酒宴の中の、
激甘。 この年末はよく飲んでいる。酒を。どこかの酒席で、劇団員が服用していた『酒豪伝説』という名の“アルコール対策食品”の摂取を真似てまでも飲んでいる。酒を。
よく「お酒とか飲むんですか?」と質問され、『とか』ってなんだろうと考えながら「はい」と答えているが、呑兵衛に見えないらしいけれど酒は大好きだ。

先日、TTC(仮称)の忘年の宴を慎ましく催したが、とてもゆったりくつろいで楽しんだ。今年はあんなこと、こんなことと非常に賑やかだったので、年末くらいは静寂が欲しくて、街中にひっそりある日本料理屋を選び、会席料理に舌鼓を打ちながら日本酒を飲んだ。それから場所を変え、大の苦手である“レバ刺し”を頂きながらワインを飲み、“はしご酒”の締めは“豪奢なお通し”をつつきながら、脳髄がとろけるほど甘く熱いウォッカベースカクテルを流し込み、バーボンを“チェイサー”とした。
翌日、床から身を起こしたら幽体離脱してしまった。

“書評”に苦しんでいた。あるところから依頼された、ある書評。勉強をさせてもらおう(こう言っては失礼かもしれないが)と引き受けたものの、ナニをどう書いてよいかが解らず大きなアタマを抱えていた。幾つか書評を読んでみたが、いずれも“書き方”がバラバラで、読むほどに混乱するいっぽう。いわゆる“本の宣伝”なのか“分析”なのか、はたまた“感想文”なのか。評される当の著者も命がけなわけで、それを“書評のプロ(ってあるのかな?)”でもないイチ役者があれこれ書いてよいものか?
あまりに解らなかったので、音をあげて担当者へ相談した。詳しくは書かないが多くの助言を頂いて、引っかかっていたモノが腑に落ちた。プロの言葉は重い。あたりまえだが。多謝。
物事の微妙な味わいを感じとる心の働きと技術と、 ■2006年12月16日(月)
年末、だから、酒宴が続く。このところ立て続けに会食があり、色々味わっている。ある料理店でのこと。献立や、味付け、盛り付け、流れは良く、まあ、申し分ないというべき部類にはいるのだが、どうも“美味しくはない”のだ。いや、不味いということでもない。何がどうなっているのか解らずに、前菜からずーっとそのことを考え続け、気が付けば食後の菓子まですすみ、お会計を通り越し、さらにはこの数日間考え続け、他の料理店での会食中までも“気”をとられていた。つまりの要するに。そんなことを考えさせてしまう時点で、それはもう、“かなりマズイ”のだろうが、しかし、それだけでは済ませることが出来ないナニか、何かが腑に落ちないでいた。
この料理人は、間違いなく“技術”はあるのだ。明らかに我々一般人が不可能な技を持って(以て)“料理”をしている点からも、それは判る。また、献立や、盛り付けの様子から“特殊な感覚(センス)”も、必要な分(量)は持ち合わせているのだろう。こんなことを数日考えて、段々と見えてきたことがある。料理を演劇に置き換えてみても同じことだった。難しいことではない。どんな商売でも技術だけではダメだし、センスだけでもダメだ。もう一つ必要なものがあるのだ。

年明けは、少しゆっくりしようと思っていたが、そうも言ってられない感じなってきた。TTC(仮称)の二月公演と、四月公演とは別に、あるところから出演依頼があった。急な話なので確定ではないが、出演する方向で調整中。決まれば、新しい試みになる。詳細は近日。
新年一発目のお仕事である、高校演劇のためのワークショップの仕込みに追われつつ、二月と三月に予定してる子ども向けのワークショップの下準備にも追われている。一月には東京へ行くつもりだが、はたして。
煩悩の炎を。
■2006年12月13日(水) よいしごとがしたい。
稽古場の三十九歳のウサギ。 誕生日を迎えた。ようやく、やっとこ、なんとか、四十歳になったと思ったら、実は三十九歳だった。二十代始めの会社勤めの頃は、ずいぶんと老けて(よく言えば落ち着いて)見られ、「三十代中盤にしか」と言われた。まあ、職種上、取引先の意志決定権を持った人達と会っていたので、それはそれで有利に働いていたが、コンパなどではどうしても浮いてしまい、自身の老け人相をアレしていた。その当時、友人らに「大丈夫。老け顔は、年ごとに年齢が顔を追い越して、いずれは若く見られるよ」と言われ、嘘くさい話だと思っていたが、この年齢になってみれば、ホントにそうだった。今では「年齢不詳だね」と言われ、年齢を知って大抵の人が驚くし、初めて会う、明らかに年下の人が“タメ口”で話しかけてきて、コチラの年齢を聞いた途端に敬語に変わるといった“べた”な出来事が何度もあるので、この四、五年は早く四十代になりたかった。老けたいわけではない。年相応に見られたいのだ。つまり、そんな仕事をしたい。

三十代最後の年に何をするか。気張って、これまでとは違ったことをしようとは思わないが、次の十年の足場を固める準備作業をしよう。あるところに目標とする仕事ぶりの方がいる。今は足元にも及ばないが、一歩でも近づくのだ。

ということで。新規購入したカバンが不良品だったので取り替えることになった。こういう作業がめんどくさい。メールでやり取りしたり、場合によっては電話をかけたり、商品を梱包したり、送り返したり。「り」の連続。どうにかして欲しい。
よく利用する『ランズエンド』という名の衣料通信販売業は素晴らしい。そこは、商品が気に入らなかった場合だろうが、使用後だろうが、洗濯後だろうが、いつでも必ず返品・交換を受け付けてくれる。しかもWebサイト上から申し込むだけで、先に代替品が発送され、その到着時に不要品を集荷するという、恐ろしくも完璧なサービスをやっている。おすすめです。
ほうふなど。 ■2006年12月11日(月)
年末は酒宴が多い。三十を過ぎた頃から“肉”と“酒”を欲しなくなった。特に「お肉食べたい」と言うところの、ステーキ、焼き肉、トンカツ、牛丼、三枚肉、ストロガノフ、チキン、鴨、ヒージャーなどがすべてダメだ。決して嫌いになったわけではない。だから半年に一度くらいはステーキが食べたくなることもある。お酒は大好きだから、“飲めなくなった”訳ではなく、飲む機会がぐっと減ったと言う方が正確。アルコールを摂取すると、稽古で声がうまく出ないなどの支障が出るので、自然と酒量を抑えるようになった。今では、週に一回の割合で酒宴があるとなると、少々気が滅入る。ああ、大人になったもんだ。

新しいお仕事。あるところからあるお仕事。“書評”だ。依頼があったときは、かなり及び腰だったが、担当の方と話す内に、せっかくの依頼でもあるし、ここはひとつ勉強のために引き受けることにした。

注文したカバンが届いた。よいよい。
これはトルコ料理。
■2006年12月9日(土) 昇降機。
アヒル。 朝から打ち合わせに追われる。来春からオキナワ芸能界“ブーム”が再再再燃となる。タレントスクールが幾つかできる。その講師の仕事を仰せつかっている。二カ所の。
ひとつは、いわゆる“学校”で朝から夜まで“帯”で講義がある。その設立に向けたあらゆる業務が“初めて”のことなので、なにもかもを手探りで準備中。とは言ってもたわらは“イチ”講師に過ぎないが、まあ、出来ること、手伝えることは可能な限り精一杯で試してみようと思う。楽しみなのだ。

真夜中に。さっさと眠ればいいモノを、カバン探しに躍起。ネットで。カバンに開いた穴が、日に日に成長しており、近々御開帳となりそう。穴はそろそろ財布の出入りが出来そうなくらいになっている。
あちこちのサイトを、数日さまよい、ようやく『(たぶん)頑丈で、(たぶん)鈍臭くなくて、(たぶん)明るい色で、(たぶん)細部に配慮のあるカバン』を発見した。仮想商店では、ブツを手にとって見ることが出来ないので、アレだが、まあ、早速購入。数日で届くだろう。

懐かしの『清ら肝』の制作業務が正式に全て終了。『ボクイキ!』もまもなく終了。そして次へ。
次とは。TTC(仮称)と高校文化連盟の共同主催で高校演劇部向けに宿泊研修会をすることになった。毎年高校演劇大会でワークショップの必要性を訴え続け、数年目にしてようやく実現。年明け新春五日から三日間に渡る演劇漬け勉強会だ。TTC(仮称)メンバーと、外部からの講師とでやる。“時間割”を作りながら、オキナワのちょっと未来の演劇界が賑わう様子を想像する。
ありきたりだが「もう12月だ」。 ■2006年12月3日(日)
こまごまとした事務系に追われつつ。『沖縄現代演劇協会』の会合をもった。設立して約二年を経て個人会員を募ることになり、その説明会および入会の儀。加盟している団体も個人も、演劇に対する考え方や方向性は違えども、『プロな舞台人』であることは共通であり、その思いを以て協力し合いましょうとあいさつした。とてもゆっくりな歩みかもしれないが、まあ、三十年後には三十倍ぐらいは賑やかになっているだろう。きっと。


そんな中。数年使っているカバンに穴が開いたのだ。書類だの台本だのパーソナルコンピュウタだのをしこたま詰め込んでいれば仕方のないこと。次世代号を求めて、現実と仮想の店舗を見て回るが、これだというヤツに出会わない。ビジネスバッグの類はどうして黒や灰色のような暗い色ばかりなのか。仕事用だから背広に合わせるためというのは解っているが、どんなに細部にこだわって数万円のモノを作っても黒じゃあ“見えない”って、そんな。仕方なしに革製を買おうかと『COACH』に行ったら、しばらく見ない間にデザイナーが変わったのか“ナンパ”感じになっていてボツ。私は今、頑丈で、鈍臭くなくて、明るい色で、細部に配慮のあるカバンを求めている。

明日から次回公演の稽古が始まる。
芝居を観たり、映画を観たり、本を読んだり。『悪魔の辞典』を読んで大笑い。
街の灯。






































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2005
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